呪われ侯爵の秘密の花~石守り姫は二度目の幸せを掴む~


 エオノラは呪いを解いた日の疲労から三日三晩寝込む羽目になってしまった。その間にも様々な出来事は起こった。
 まず不在だったキッフェン伯爵が王都に戻ってきて息子が社交界で何をしていたのか知ると酷く激昂した。
 与えていた伯爵代理の権限を剥奪し、半人前の息子が一人前になれるまでは婚約式はさせられないと、リックが独断で進めていたアリアとの婚約式は一旦保留になった。

 もちろんリックは抗議したが、商学に深い知識のあるキッフェン伯爵は信頼がいかに大事かを熟知している。フォーサイス家とキッフェン家は曲がりなりにも、持ちつ持たれつの関係を築いてきた。その関係が崩れてしまえば、キッフェン家はフォーサイス家の足下にも及ばない。
 伯爵は息子を叱ったその足でフォーサイス家に赴いて謝罪をしにきた。彼はリックの性根をたたき直すため、所有する田舎領の雑務から働かせるつもりでいる旨をゼレクに伝えたという。

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