呪われ侯爵の秘密の花~石守り姫は二度目の幸せを掴む~
第40話
それからさらに一週間後。
王宮では第三王子の王族復帰を祝うために王宮で祝いの宴が開かれることになった。
エオノラはもちろんその宴に参加する。
その日は朝からイヴを含む侍女たちの気合いが充分に入っていた。色素の薄い金色の髪を緩く巻いてからハーフアップに纏め、涼やかな目もとが華やかになるよう綺麗に化粧も施してくれる。
「お嬢様、今日の装いは完璧だと思います」
メイクと衣装を務めたイヴは額の汗を拭いながら腰に手を当てると満足そうに姿見からこちらへ視線を投げかける。
身に纏っているドレスは淡紅色の生地に白のオーガンジーがたっぷりのドレスだ。胸元のレースにはバラの刺繍が入り、腰のリボンの紅色がアクセントとなっている。
「イヴの腕は確かね。今日はありがとう」
エオノラが鏡越しに微笑むとイヴはぽっと頬を赤らめた。
「いいえ、そんな。私こそ品行方正、才色兼備なお嬢様の専属侍女ができて幸せです!!」
それは盛り過ぎだと苦笑していると、ゼレクが扉を叩いて部屋に入ってくる。
「デビュタントのドレスも大人びていて素敵だったけど今日のドレスは一段と華やかだね」
「お兄様!」
エオノラはイヴや侍女たちを下がらせるとゼレクを部屋の中に入れた。