スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
0.スキル〖魅了無効〗を獲得しました。
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生まれてきてのこの十八年間、何度か高い壁にぶち当たりもしたし、最悪死にかけたりもしたこともあった。
たかが数日しかお付き合いしていない恋人の浮気なんて、数ある辛い過去に比べれば、こんな可愛らしい出来事なんて簡単に乗り越えられるはず!
滲む涙を誤魔化すことなく歩きながら、前向きな気持ちへと切り替えようとしたその時に、その声は直接脳内に語りかけてきた。
『スキル〖魅了無効〗を獲得しました』
女神の声と呼ばれる透き通ったその声で言われた言葉に、流していた涙がスンっと止まる。
聞き間違いだ、そう思いたい。
そう願いながら、私は首に掛けていた魔法石がはめ込まれたプラチナのプレートを恐る恐る眺める。
このプレートはこの世界に出世した時から授かるもので、個体情報や獲得したスキル等などが記される、言わば身分証明書のようなもの。
個人の力などが魔法石と反応して書き記されていき、名のある冒険者や騎士になると、プレートの数が何枚にも増えるんだとか、どうだとか。
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