スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
スンドさんだけではなく、集まってきてくれた農民達全員が、レイの周りを取り囲み嬉しそうに笑顔を向ける。
……レイが仮面を被ってない。
その事にポカンとしている私に、スンドさんが声を掛けてきた。
「初めまして。わしはここのまとめ役のスンドと申しますだ」
「はっ、初めまして!ルフィア・エンリックと申します!」
「紹介する。俺の婚約者のルフィアだ」
「ほぉおー!ついに国王様も婚約者様を!こーれは!めでたいっめでたい!今日は祝杯を上げねばだなあ!」
「まだ正式に発表はしていないのだかな。紹介も兼ねて連れてきたんだ」
「国王様もやるようになっただなあ」
どっと笑いが巻き起こると、レイも僅かに微笑んだ。
……こうやって仮面を外せる場所、ちゃんとあるんだ。
嬉しい気持ちに包まれて思わず笑みが零れた。
「んじゃ、畑に向かおうとするかの」
スンドさんの後を追いかけるようにして、私達は広がる畑を一列になりながら見て回った。