スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「皆さんもじゃあ、レイのことを怖いとは思ってないんですね」
「最初は護衛に着く時、毎日のように緊張していました。正直今でも怖いと思う時もありますが……頼れる陛下の護衛役を任されて、誇りに思っております」
「この命にかえてでもお守りするつもりですからね!」
「僕はまだ怖くて近づけませんが……とても才能のあるお方だと思ってます」
護衛役のユートさんとシエンさんや、その部下のラジールくんと会話をして分かったことがあった。
それは城に仕える人達も少なからずレイに対して、尊敬してお慕いする気持ちがあるという事だった。
ただいざ本人を前にすると気圧されて怯えてしまう……というのが実情らしい。
好意を少なからず持っているのは確かだという有力な情報を入手することが出来た私は、カイルさんとの計画を達成できる兆しが見えてきた。
印象を改善出来れば、頼れる人達がこんなにも近くにいるんだから、レイだって心置き無く仮面を外せるはずだ。
「それに気がついてくれればいいんだけどなあ……」
ポツリと呟くけれど、風に吹かれて消えていく。
風はレイの元へと向かい、彼の髪を靡かせた。