スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
お城の庭園と同じように、発動した魔法が畑に水を振り撒き、太陽の光を反射させ、小さな虹が出来ていた。
「綺麗……」
「ルフィアにもこの光景を見せたかったんだ」
上手いこと遠近法が働いて、色とりどりの輝きを放つ虹に囲まれているように、お城がそびえ立つ王都が見えた。
幻想的な景色に、私は目に焼きつけるようにその景色を眺めた。
「気に入ったか?」
「ええ、もちろん」
「……魔法を生み出して人に見せたいなどと思ったのは、ルフィアが初めてだ」
いい景色といい、穏やかな表情でこちらを見つめてくるといい……なんだか気分が高まってしまう。
レイの顔を見ていられなくなって、視線を虹へと戻す。
……こんな平和な景色を見ていると、戦争なんてものがこの国には無縁に思えてきてしまう。
だけどレイはそんな過酷な問題と戦って、私達を守っているんだ。