スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「いい景色だろ。俺はこの景色を何処の馬の骨か分からない輩に渡す義理なんかない。長くここで命を紡いできた民達が大切に守り、育ててきた場所だ。――俺は絶対にこの国を守り抜く」
真剣な声にレイがこの国をどれだけ大切に思っているのかが伝わって、思わず胸元を握りしめた。
「それにここは、俺の国と言う名の俺の庭だ。魔法の実験にも、少なからずの土地が必要だからな。奪われるわけにはいかない」
「……本音はそっちじゃないわよね?」
「ん?土地が奪われたら極大魔法の作成は中々に厳しい。俺の庭を奪おうとするなら、相手が誰だろうと容赦するつもりはない」
この国を愛する国王様は、魔法に取り憑かれた変わった人。
レイの言葉に思わず笑ってしまいながらも、首を傾げたレイが差し出した手を握り、元来た道を戻る。
私のユニークスキルの力が必要な魔法は、一体どんな魔法が生み出されるのか今から少し楽しみになって来たのだった。