スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
新魔法のお手伝い
*
穏やかな昼下がり。大自然が広がる絶景を前に、私は岩の影に隠れるようにして、その衝撃を待った。
ドォンッ……!と轟音と共に地面が揺れて、森で暮らす動物達の混乱の鳴き声が聞こえてきた。
「うーん、この魔法式でも失敗か」
衝撃なんてものに無縁と言ってもいいくらい、レイは平然とした様子で失敗した魔法陣の元へと歩み寄る。
「自然の魔力を媒介には出来ているはずなんだが……」
「惜しい所までは来てるよ。ただ後は向こうが答えてくれるかどうかにもよるんだと思うんだよなあ〜。術式に土魔法を加えるのも必要かも」
「……」
「ちょっとルゥ!僕の言葉をレイに伝えてくれないと、魔法が完成に近づかないでしょ!」
この男二人はこの状況下でも魔法に没頭しすぎているせいで、周りを見えてないみたい。
怯える動物達が可哀想よ……。