スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「怪我はないか?」
「……う、うん!」
咄嗟に私を守りに動いてくれたレイが、私のことを庇うように抱きしめていてくれたようで、あまりの密着度に思考が停止する。
近い……近すぎるっ!!
「驚かせてしまってすまないな。ただ見事に成功したようだ」
喜びを堪えきれなくて笑顔を零すレイは、一度だけ強くぎゅっと私を抱きしめて、頭にキスを落とした。
「これもルフィアの協力があってこそだ……!遂に、遂に完成したぞ……俺の魔法が!!」
頭に頬を擦り寄せて来たかと思えば、脇の下に手を忍ばせて私を持ち上げ、その場で何度か一緒に回る。
地面に下ろされてバクバクした心臓を抑えているとレイが私の手を取り、上を見上げた。
釣られるようにして私も顔を上に上げて、見えたものにポカンと口を開けてしまう。
「ゴーレムの誕生だ!これで民を戦地へ送り出さなくても済むぞ」
私達の身長を遥かに超え、木々よりも背丈が高いゴーレムはレイに向かって頭を下げた。