スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜



 生まれて初めて見るゴーレムという存在に呆気に取られていると、シュマがゴーレムの元へと飛んでいく。


「ボクの精霊の知識を与えた事によって、魔力の供給を自然独自の魔力に上手く切り替えたんだ。やるねえ」

「……」


 シュマはレイの生み出した魔法陣に釘付けで、状況を把握しきれてない私を置いてけぼりにするように飛んで行ってしまう。

 何がどうなってるのか理解出来ずにいると、興奮したままレイは私を抱き上げて、ゴーレムが差し出した手のひらの上へと乗った。

 そのままゴーレムは私達を優しく自分の頭の上へと乗せると、ゆっくりと立ち上がる振動で体が揺れ思わず目を閉じた。

 揺れが収まったのを確認して目を開ければ、そこに広がる景色に息を飲んだ。


「……!」


 木々よりもうんと高い位置で見えるお城は、やっぱり立派なものだった。

 辺りを見渡す私にレイが小さく笑うと、そのまま私をゴーレムの頭の上にそっと下ろしてくれた。


「すごい……」

「魔法というものは無限だからな。まあ、ルフィアが居なければ完成しなかった魔法だがな」

「そんなことないよ。レイが一生懸命考えた成果が実ったのよ」

「そう言われると頑張った甲斐があったと思える。だが、本当にルフィアのお陰なんだ。感謝してもし切れないくらいだ」


 隣にいるのはこの国の国王様で、そんな国の頂点に立つ人に褒められるなんてことが今までの私には想像できただろうか。



< 113 / 237 >

この作品をシェア

pagetop