スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
ゴロゴロと喉を鳴らす子猫が私の腕に頭を擦り付けてきて優しく撫でてやると、ようやく怒りが収まったカイルさんが子猫へと意識を向けてきた。
「ルフィア様、その腕の中にいるのは?」
「森で怪我しているところを保護した子です。一体なんの動物の子供かは分からない所だけど」
「凡そ白虎の子供だろう。微かに魔力を感じる」
「白虎?!この国にはいないはずの白虎がどうしてあの森で……」
「何かに追われている中、親とはぐれたか必死にあの森まで逃げてきたんだろう。ルフィアが見つけなかったら、危うく命を落とす所だった」
「……よく頑張って逃げてきたね。もう大丈夫よ」
安心させるようにぎゅっと抱きしめると、白虎の子は嬉しそうに喉を鳴らした。
「子供だからと言って、あまりルフィアにしつこく甘えるなよ。ルフィアは一応俺の婚約者なんだからな」
「ちょ、ちょっと!動物の子供相手にそんなムキにならないでよ!」
「フシャーッ!」
私の肩を抱き寄せて見下すように見てくるレイに、負けじと威嚇する白虎の子も威嚇してそっぽを向く。
怪我を追った足を庇いながら私の腕の中からよじ登ると、そっと頬を舐めてきた。
「お前っ……!いい加減にしろ!」
プイッとレイから顔を逸らしてまた私の頬に擦り寄る白虎の子に、私は胸を奪われぎゅっと抱きしめた。