スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
甘い幸せな感情が私を包み込んでいくのと、また心臓がうるさいくらいに鳴り響く。
あれだけ怖いと恐れられる仮面を被るレイだけど、動いた拍子に髪の隙間から覗いた耳が真っ赤に染まっていように見えた。
「なんだ騒がしいから出てきてみれば、また口説かれてるの?」
「う、うるさいわねっ!シュマってば余計な時に出てくるのやめてくれない?」
魔法石から出てきて伸びをするシュマは半分呆れ顔で私の顔を覗いてきては、私の顔が赤いと指摘してくる。
これだってきっとレイは実験的に口説くための言葉を、色々とユツィーに吐き出していただけかもしれないじゃない!
素直に受け止めちゃダメよ、ルフィア!
気恥しい想いをしているのをユツィーが収拾をつけるかのように、私とレイの腕を組ませてきた。
ちょっかいをかけてくるシュマも、逃がすものかとユツィーは問答無用に握りしめていた。
「では、よい休日を。二人で楽しんできてくださいね」
ごゆっくりと言いながら、にこやかな笑みを浮かべて見送るユツィーからは、謎の覇気を感じるのは気の所為だろうか。