スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
なんでこんな場所に急にやって来たのか謎すぎて、一連の流れをただ黙って見つめていたけれど、本能が何かを察知した。
「レイ?皆に何を飲ませたの?」
不審がる私に彼は顔を近づけてきて、ニヤリと笑う。
「ちょっとした媚薬だ」
「びっ、媚薬?!」
「そうだ。魔法の作成を手伝ってくれただろう?今度は俺がルフィアのスキル上書きの方法を探す番だ。とりあえず効果範囲を知るために、実験対象を準備するのにここが丁度いいと思ってな」
「えっ!ちょっとここで何するつもり?!」
レイの休日だというからてっきり二人きりで過ごすと思っていたけれど、それは大間違いだったようだ。
予測不可能なこの状況に困惑する私を前に、レイは手記と筆を取り出して私を遠くで見守るように遠ざかって行く。
そんなレイを追いかけようとするけれど、ゆらり揺れる影が近づいてきたかと思えば、いきなり手を取られた。