スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
私を取り囲むようにして丁重に扱われて、擽ったいけど悪い気はしない……って、何なのこの状況。
スキルがきちんと発動しているせい、全て冷静に対応している自分が怖い。
「どうだ、反応はあるか?」
「何も感じないから!レイ!皆が可哀想だから、この状況どうにかして!」
「甘い囁き効果なし、見つめ合う行為効果なし、か。口説き言葉の感情にもよるのか……?」
って、なんでレイは真面目にデータ収集してるのよ!
必死に訴えかけているのに、彼は研究に没頭する目をこちらに向けている。
でもいつもの研究してる時の顔とは違って、深い深いしわが眉間に寄っていてとてつもなく怖い顔だ。
書き記す手記と筆が今にも壊れそうな程、怒りのまま力を加えるレイに誰も気づいていない。
「どうか俺を選んでくれないか?」
「僕の運命の人……もう我慢しなくてもいいですか?」
「好きです、ルフィア様」
「君が好きだ」
「あはは……媚薬って怖い」
甘い目をして顔を近づけてくる兵士の皆様に、苦笑いを浮かべることしか出来ずにいると、不意にユートさんが私の頬を包み込み、そのまま顔を近づけてくる。