スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
……これは、まずいのでは??
唇に吐息が掛かって、思わず身構えることしかできない。
「ちっ……!」
レイの舌打ちが小さく聞こえてきて、一瞬だけ兵士達の動きが止まったのを見逃さなかった。
だけど必死に抵抗しようと思っているのに、あちこちから手が伸びて身動きがまともに取れない。
嫌だ、こんな形でファーストキスなんか奪われたくない。
私はちゃんと愛する人と結ばれたい。
「ごめんなさい!それ以上はっ……!!」
ユートさんを遠ざけようと必死になっていると目頭が熱くなってきて、恐怖に負けて思わず目をキツく閉じると、すぐ真横で鈍い音が響いた。
「それ以上、俺のルフィアに触るな」
低い声と共に落ち着く優しい香りに包まれた私は、すっぽりとその温もりに抱き寄せられていた。