スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「胸糞悪い。他の男に触れられる所など見るに堪えん」
「レ……イ……」
「すまない。怖い思いをさせたな」
子供をあやす様に頭を何度も撫でられて、もう大丈夫なんだと分かった途端一粒の涙が頬を伝った。
安心するレイの香りを肺いっぱいに取り入れていると、頭に電気が走ったかのような痛みが襲ってきた。
『スキルが限界に達しました』
その言葉が脳内に響き渡った直後、身体が言う事を聞かなくなって全身の力が抜けていく。
「ルフィア?!――おいっ!しっかりしろ!」
大丈夫だよと言葉を紡ぎたかったけれど、か細い息が口から零れるだけだった。
慌てるレイの声がどんどんと遠のいていって、真っ暗闇の中に私は落ちていった。