スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
もう……誰も私の傍から離れて欲しくない。
「……!ルフィアッ!」
私の動いた気配を察知したレイが慌てて私の元へとやってきて、壊れ物でも触るかのように怯えた手で私の手を取った。
「急に倒れたんだ。どこか痛む所はないか?」
「……大丈夫、だよ。心配させてごめんね」
「俺のせいで、辛い目に合わせてしまった……本当にすまない」
今にも泣き出しそうなレイの頬を撫でると、その手を離すものかと握り返してくれた。
「ずっと魘されていた」
「大丈夫。怖い夢を見ていただけだから」
記憶の蓋をしてもしきれない程の、鮮烈な記憶達。
でもその過去がなかったら今こうして、レイに触れられていない。
「皆は、どうなった?」
「媚薬の効果が切れて反省している所だ。しかし、全ての責任は俺にある。彼らを責めないでやってほしい」
「良かった……これでお仕事失っちゃったらどうしようかと焦ったよ」
巻き込んじゃった事に申し訳なさがあったけれど、皆平気ならそれでいい。