スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「スキルの使いすぎで倒れるなんてことあるんだね。全然知らなかった」
「ルフィアが倒れた時は、死ぬかと思ったぞ」
「そんな大袈裟な」
「馬鹿を言え!」
いきなり怒鳴られて思わず肩を震わせると、レイは乱暴に私を引き寄せて強く抱きしめた。
「大切な女を傷つけた……自分が憎い」
「レ、イ……」
うるさいくらいに響き渡る心音が、こんなに強く抱きしめられたらバレてしまう。
でも私の心音を聞いて欲しい、私はこうして生きているから。
「……媚薬を使ってだったけど、あんな風にたくさんの人から同時にアプローチ受けたの初めてだった。こんな髪だから、今まで周りを怯えさせることばかりだったけど、なんか不思議な体験が出来たよ」
「こんなとはなんだ。ルフィアの髪は綺麗だ。生まれつき持った、ルフィアの色だろう?」
間髪入れずにレイはそう言って髪を撫でてくれた。