スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「髪色がなんだ、混血だからなんだ。ルフィアはルフィアだろう。代わりなんてどこにも居ない、今こうして俺の傍にいるのは、紛れもなくルフィアだろう。俺はそんなルフィアを必要としているんだ」
「レイ……」
「誰に何を言われようが、ルフィアは誰よりも美しい」
耳元で囁かれるその言葉は、深く深く私の中に溶け込んでいく。
「俺はルフィアの髪の色は、幸せを導く色だと思う。何せ、俺達をこうして巡り合わせてくれたのだから」
忌み嫌われるような目で見られて、影に隠れて生きてきたけど……師匠が私を拾ってくれて、セドリックが友達になってくれて、今こうしてレイの胸の中にいる。
運命の歯車を狂わされたけど、知らなかった幸せを私はちゃんと掴み取っているのだ。
レイの言葉に今まで好きになれなかった自分の髪が、とても大切なものへと変化していくのが分かる。
「私の髪の色は幸せを導く色。うん……すごく嬉しい」
「そうだ。だから自分の髪をそう嫌うな。俺なんて、悪魔と契約したからだとか、なんだとか言われてるくらいなんだからな?」
「大丈夫、レイの髪も夜空みたいで綺麗な髪だよ」
「……生まれて初めてそんな風に言われた」
「最初に出会った時もそう思ってたの。皆、レイのことを誤解してるのが悔しいよ」
知りもしない遠い遠い所に立つレイのことを知る機会が少ないから、誤解は生まれ続ける。