スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「俺も色々とセドリックさんにはお世話になっているんですよ!特に女性関係で」
「セドリックみたいになるのだけはオススメしないわよ?」
「誤解です!俺は好きな人にアプローチする方法なんかを伝授してもらっただけです!……現在好きな人すら居ませんけど、今後の為にいっ、一応程度ですからね!?」
何処か悔しそうにボヤく彼に思わず笑ってしまうと、嫌な顔すらせず良し!と謎のガッツポーズを決めた。
「どうかしたの?」
「ルフィア様を笑わせられたなあって。俺、笑顔のルフィア様が好きですから」
急に言われた言葉に、ドキリと胸が跳ねた。
素直に嬉しいと思う気持ちと……レイに聞けなかった言葉のまどろこしい気持ちが急に湧いて出てきた。
レイに言われてきた言葉の数々は、私のスキルの効果範囲を調べる実験で言ってきただけのもの。
分かってるはずなのに、なんでこんなに苦しいんだろう。
「ルフィア様?」
名前を呼ぶのはレイじゃない、これから先私の名前を呼ぶのはきっと彼じゃない。