スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜




 分かりきっていた現実を受け止めきれない。

 苦しい……レイに会いたい、会って確かめたい。

 ――この気持ちの答えを。


「ルーフィア様ー?」


 顔を覗き込むように真っ直ぐ見つめてくるラジールくんに、誤魔化すように笑って見せるしかない。


「どうかしました?」

「……決めた。私、皆の帰りをちゃんと待つ!」

「そうです。笑って出迎える準備をしましょう。なので、今日は思いっきり羽を伸ばしましょうね」

「そうね。そうしましょう!」


 レイに会いたい。

 この気持ちに嘘はないから、私も彼の帰りを祈るために動きたい。


「帰ってくる皆のために私もランプを飾るのを手伝いたいんだけど、いい?」

「せっかくなら、ランプを買ってそれを飾りましょうか」

「いいの?」

「もちろん。俺も団長達に向けて明かりを灯したいですから」


 笑いながら手を差し伸ばされて、強く頷きながらその手を取った。

 残された私達に出来ることは、精一杯の温もりで彼らを出迎えるそれくらいしか出来ないから。

 とびきり明るい明かりで貴方の帰る道を照らす道標を灯すから、どうか……どうか無事でいて。

 
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