スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
って、私ったらまた変な事ばっかり考えるんだから!
会いたいばかりに、どんどん変な方向に考えちゃうこの思考回路をどうにかしなきゃ……。
無駄に熱くなってしまった頬をバレないように、風に晒すようにして冷ましていると、周囲からの視線を感じる。
「ルフィア様も、もうすっかり陛下の婚約者として、皆に周知されましたね」
「そう、だね。目立つのは本当は苦手なんだけど、どうしてもこの髪のせいで目立たないことの方が珍しいし」
街に出ればレイの婚約者と呼ばれるだけでなく、悪魔との契約を断ち切りし聖女様なんて言われる事も。
ただの田舎娘の私にとって、立ち回り方なんて知りっこないから、会釈程度しかできない。
それでも街の皆は不信感を抱いた目で私を見ることはなくて、穏やかな目で見てくれる。
嬉しいようで慣れない反応にむず痒い。
「それにしても、ここまでルフィア様を認知させておいて、陛下はどうするおつもりなんでしょうね」
「何が?」
「離宮にいる婚約候補者ですよ」
聞いたことも無い存在に言葉にできない衝撃が走る。