スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
レイに貰った沢山の温かい言葉を思い出しながら、冷めていく体を温める。
私は私がすべき事をすればそれでいい。
輝くランプにレイが無事に帰ってくるように祈りながら、その煌めきをこの目に焼き付けていく。
願わくば……もう少しだけ彼の隣に居たいなんて、贅沢なお願いも叶えてくれないかな。
「さてと。帰りが遅いと心配されちゃうし、もうそろそろ帰ろうか」
「そうですね。これから風も冷たくなって来ますし」
気持ちを切り替えるべく私から帰ることを提案すると、ラジールくんは大きく頷いてくれた。
部屋に戻ったら、今日は久々にユツィーとお風呂に入ろうかな、皆と楽しくご飯も囲って食べたい。
そんな事を考えながら、帰路へ向かおうと足を動かしたその時だった。
「北門へ!早く!」
「急げ!帰ってきたぞ!」
街の塔の鐘が仕切りに鳴らされて、慌ただしく人が移動していく。
「ルフィア様!陛下達が帰ってきたようです!俺達も急ぎましょう!!」
突然の事に頭はついて来ないけど、体はレイを迎えたい一心で不思議と動き出す。
ラジールくんに手を取られながら、皆が向かう方向へと駆けていくと閉められていたはずの門が開いていた。