スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
ふふ、ハイネを連れてきてやっぱり正解だったわ。
今にもこちらへ飛び込んで来そうな子供達を手招きすると、一目散に走ってやってくる。
「こんにちは。この子はハイネって言うの。良かったら沢山撫でてあげてね」
「ガウ」
「わーい!お姉ちゃんありがとうー!」
「モフモフだあ!!」
「かっけえ〜〜」
「すみません、うちの子達が……」
我が子の落ち着きの無さに慌てて駆け寄ってきた子供達の母親が揃って、申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。
「元気なお子さんですね。これだけ元気だとお母様達の休む時間って短いですよね?」
「ええ。これだけ騒がしいと家事も中々進まなくて」
「主人も手伝ってくれるとは言え、中々ゆっくり出来ないわよね」
その言葉、待ってました……!!
家事に子育てに疲れを感じてきている主婦達に、立ち売り箱に敷き詰めてきた香り袋を見せる。
「これ、国王様が大切に育ててきた庭園で咲いたロマンテで作ったんです」
「あの国王様が……」
印象は徐々に改善されていってはいるけれど、少なくともまだ完全にとは言いきれない。