スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜




 戦争が終わって帰ってきたあの時のレイを見てしまった私も、少なからずレイの印象がまた逆戻りしてしまったと思っているくらいだ。

 だけど……この国を守りたいと王都を眺めて言った彼の言葉には嘘はない。

 それを知っているのは本当の婚約者のリーンさんじゃなくて、この私だ。

 しっかりとこの目でこの耳で、レイの言葉を態度を見てきたのだから。


「実は国王様は花を愛でるのがお好きなんですよ。庭園にはとても綺麗なロマンテの花畑があるくらいなんですから!」

「ロマンテの花畑なんて素敵ねえ」

「あの王様でも花を慈しむのね……なんか思ってた王様像とかけ離れていて驚いちゃうわ」


 私も最初はそうだった。

 知りもしない国王様の事を噂で凝り固めた印象でしか見たこと無かったから、冷酷非道としか思えなかった。




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