スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
でも一緒に生活をしたから分かる。
私を大きく変えてくれたそんな彼が、この国を誰よりも愛しているってことを。
「この国の国王様は、とっても素敵な国王様ですよ」
レイの冷酷非道の国王様の仮面は、私が取ってあげるんだから。
私の自信満ち溢れたその言葉に表情が打って変わり、主婦達は香り袋を買うと手を上げてくれた。
「んん〜本当いい香りね!」
「優しい香りだわ」
「もう二つくれる?」
「あっ!あたしにも!」
「もちろん!良かったらお友達なんかにも配ってあげてください。それと国王様はすごく素敵な王様だってことも忘れずにお伝え下さいね!」
念を押すように言うと、弾けた笑顔で香り袋を受け取ってくれた主婦達が笑う。
お金を受け取って初めて、この印象改善計画が成功したと身に染みて実感出来た。
それに釣られてやって来た街の人達も、次々と香り袋を買ってくれて、忘れずにレイの優しさを伝えるようにして受け渡していく。