スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
ユツィーの背中に腕を回して、ギュッと力強く抱きしめる。
「私もユツィーと友達になれてすっごく幸せだよ。大丈夫。お別れしても、友達じゃなくなるわけじゃないんだから。これからもレイバート様の為に尽くしてあげてね」
私の胸に顔を埋めるユツィーの頭を撫でていると、一つ頷いなユツィーは私の元から離れていく。
「マスターが帰ることを認めたのなら、私にはお帰りを止める権利はありません。どうか……どうかまた会いに来てくださいね」
「もちろんよ。だって私達、友達でしょ?」
「ええ。ずっとずっと大切な友達です」
いつもの優しい笑みを向けられて、私からもう一度だけぎゅっと短く抱きしめてから再び歩き出す。
見慣れたこの景色にさようならを呟きながら、私は城を後にしたのだった。