スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
師匠から手紙なんて珍しい。
もしかして、王都の欲しいお土産のリストだったりして。
大した内容ではないんだろうと、雑に手紙の封を開けて師匠の癖のある文字を追った。
「……」
文字を追いかけながら、自分の中でようやく気持ちの整理がついた感情達が、一つまた一つと自ら蓋を開けていく。
『ルフィアへ。
自分のあれやこれを考えすぎるな。
ようやく掴んだその居場所を簡単に手放すな。
あたしの弟子であれば、その気持ちのまま真っ直ぐ突き進むのが正解だ。
それと一つ、いい事をあんたに教えてやる。
あんたが悩むスキルのことだ。
いいかい。
もう一度、よく自分で考えてから行動しな。
そのスキルは……
〖真実の愛を見つけた時〗、そのスキルはルフィアの意思によって解消も可能だ。
その愛を手放す覚悟があるなら帰っておいで。
その覚悟もないのに帰ってくるようなら、魔法で家の全ての扉を開けないようにしてやるから。
あたしは、そんな弱い女に育てたつもりはないからね?
この人に愛されたい、共に居たいと思う相手が出来たのだろう?
なら、もうスキルなんてもの関係なく、その人にぶつかって行きな。
ただ一つ、あたしからも言わせてもらおうか。
愛しているよ。
あたしの可愛い愛娘ルフィア。
幸せはあんたのものだ。頑張りな! 』