スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜




「なんだ、一番馬鹿なの私だね」

「そうだよ。なんで確かめてもいないことをあれやこれやと自己解釈して、本当の気持ちに目を背けむルゥをみてると、ほーーんっとやれやれって思ってたよ」

「まあ、あの魔法馬鹿に並ぶくらいは馬鹿かもね?」

「ははっ、そうだね」


 国を大切に思うばかりに、自分の睡眠時間を削ったりするレイも私と同じく馬鹿なのかもしれない。

 それくらい、強く思っているから馬鹿になっちゃうんだよね。

 染まっていく夕焼け空を見上げながら、涙を強く拭う。


「私、レイに愛されたい。レイの甘い言葉に溺れていたい」

「やっと本音が出たねえ〜」

「それで?帰るのはどうするんだい?」


 分かりきっている顔をしながらセドリックは、意地悪な笑みを浮かべながら聞いてくる。

 そんなの答えは簡単だ。


「私、レイに気持ちを伝えてくる。帰るのはまだ先送り!」

「了解。その代わり、これまであった出来事をぜーんぶ聞かせてもらおうかな?」


 全部という単語に、セドリックならあらゆる手を使って聞いてきそうで小さく身震いをした。





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