スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
薬に見せかけたただの白湯を見せて、薬を飲ませるのに難航していると表情を曇らせると、ユートさんはただ頷いて部屋の外へと出ていく。
私が一時的に城の外に出ていたとは言え、その行為が不審に思われていたのかもしれない。
悲しいけれど、私も犯人候補の一人として見ているのだろう。
犯人が見つからない今、誰もが皆疑いの目を相手に向けるのが普通だ。
「嘘ついてごめんなさい」
ユートさんには申し訳ないけど、時間稼ぎのために嘘をついてしまった。
この限られた時間でもしかしたら犯人に繋がる手がかりが部屋の中にあるかもしれない。
セドリックにレイの看病を任せ、私は手当り次第レイの部屋を探っていく。