スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
だけど、どれだけ探したとしても何か出てくる訳では無い。
焦る気持ちが滲み出したその時、魔法石を輝かせながら飛び出してきた相棒が手がかりを掴んだと声を発した。
「ルゥ!見てっこれ!!」
シュマが寝台下のラグが敷かれた床から、何か幾何学的な紋様が少しだけ見えた。
お構い無しにラグを捲り床を覗けば、そこには焦げたような跡が残る魔法陣があった。
「残念だね王様。ここの精霊文字の配列はこうじゃないのさ!これじゃ魔力を隠しきれないんだな〜!」
「シュマ、この魔法陣は何?」
「物の姿を消す魔法の応用編みたいなの?普通の魔法陣だと魔力感知されると簡単にバレちゃうんだけど、精霊文字を使えば感知はされない。つまり、王様は意図的に何かを隠したかったんだ」
「隠す……?」
「そう!待ってて。この文字をこうして……この文字を動かせば、これでっ!」
シュマの手に寄って魔法陣の文字が書き換えられ、力を失った魔法陣から姿を表したのは一通の手紙。
「やるじゃない、シュマ!」
「ボクを誰だと思っているの〜?」
「もちろん、私の頼れる相棒よ」
手がかりを見つけた事に胸を張っていたシュマだったけど、私の言葉に何故か顔を赤く染めた。