スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
平凡とは言い難い私だけど、まだ一つしか持っていないプレート。
そんなプレートには、もう既にいくつかおかしな事が記されている上で、魔法石がゆっくりと文字を刻み始めていた。
「やめて!そんなスキルいらないっ……!」
消そうにも消せないその文字に対して、必死に指で擦るけど魔法石は諦めろと言うように最後の文字を力強く書き込んだ。
ほんの一瞬、プレートが光輝いて私の全身を流れる血が反応し、一つ大きく心臓が跳ねる。
失恋したばかりだというのに、どうしてこうも精神的ダメージを与えることばかり降り掛かってくるのか。
しかもよりにもよって、魅了無効ときた、か。
私……ルフィア・エンリックは、本日を持ちまして、
――誰にも『ときめく』ことができなくなりました。