スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
後ろへ後ずさった分を詰めるように一歩前へと出てくると、手を伸ばしてくる。
抵抗しようものなら何をされるか分からない、その視線から逃れることはできない。
「なんて顔を俺に向けるんだよ。護衛役としてあれだけ信頼してもらってたのに、寂しいなあ?」
「ッ!!」
触れられた髪から何かに侵食されていきそうになる感覚に打ち勝とうと唇を噛み締め、彼を睨みつけた。
「その反抗的な目……俺は嫌いじゃない」
「……んで……なんで」
「ん?」
私の髪を頬に擦り付けようとする彼に吠えるように、腹の底から声を出す。