スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜



「レイバートが大事にしているお前を奪ってやりたくなった」

「どう言う意味よ」

「簡単な話だ。俺の妃になれ」

「何言ってるのよ!」


 胸を押そうとする腕を瞬時に取られ、近寄ってきた顔に身が震える。


「お前の選択次第でレイバートは死ぬぞ。その首を横に振ってみろ、王を無くしたこの国は終わる」

「ッ!」

「俺もそろそろ娶る相手を決める時期なものでな。どうせなら……アイツのお気に入りを俺のものにするのも悪くない。離宮にいる女は病弱と聞いた。どうせならすぐに壊れない玩具の方がいいしな」


 玩具という言葉にこの人には少し前に起こった戦争も、遊び感覚で家族や大切な人を持つ兵士達を駒のようにしか思ってないのだと背筋が凍った。


「それにお前は物珍しい銀髪だ。愛でるくらいには丁度良さそうだしな」


 この人の元へと嫁いだら、私は私でいられなくなる。

 現時点でもこの人に飲まれて、思考が恐怖で埋め尽くされていっている。





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