スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜




 でも……嫌だと答えたら、レイの命が危ない。

 レイが大好きなこの国も……汚されてしまう。


「その条件を飲む前に、先に……解毒剤を渡して下さい。渡さないというのなら、私は貴方のものにはなりません」

「この俺を前にして意見を言う……か。仕方ない、その度胸に応じて解毒剤を譲ってやろう」


 上着の内ポケットから小瓶に入った淡い緑色の液体を取り出して、私の目の前でチラつかせてくる。

 解毒剤特有の香りが確かに小瓶から零れて漂ってくる。

 どうやら本物をちゃんと持ってきている程、今回の提案は本気らしい。

 欲しいなら物乞いでもしてみろと、口角を上げて見下す目で見つめてきた。


「俺の妃になれ、ルフィア」


 その言葉と共にラジール王子の瞳が光り頭に靄がかかったかのように、頭がぼうっとする。

 大切な何かを奪われていくようなそんな気持ちに、顔を顰める。

 だけどラジール王子の瞳から目を逸らせなくて、抗うことが出来ない。




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