スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
そしてこうして時折見せる彼の意外な一面も、彼の魅力の一つだ。
レイの傍に居たい……そう強く願うのは私だって一緒だ。
「私もレイの傍に居たい。でも、やっぱり私って二番目なの?」
リーンさんという本当の婚約者がいて、その次に当たる人間……という謎な立ち位置で、レイの傍に居なきゃいけないのだろうか。
恐る恐る聞くけれど、レイは一体なんの事かサッパリという様子で私を見つめる。
「ルフィア、それは一体なんの話だ?」
「だって、私見たのよ?レイが離宮にいるリーンさんって人と……その……」
抱きしめ合っていたという言葉が喉を突っかかって出てこないでいると、レイが景気のいい笑いっぷりせてくるもので、思わず目を瞬かせた。
何を思ってか、抱きしめる強さも先程よりも力を込めてくる。
「やはりルフィアは愛らしいな。他の男には絶対にやらん」
「ねえ!ちょっと!!レイってば……!」
「色々と話し足りないだろうが、まずは城へ帰ろう。ユツィーが今にも泣きそうな顔をしてルフィアの帰りを待っているんだ。それに遅くなりすぎると、カイルに叱られる」
顔を覗かれて、あまりの近さに顔が火照る。
ドキドキと脈打つこの心臓は、恋する乙女の胸の高鳴りだって理解した。