スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜

王子を探しています。




 穏やかな日差しが瞼に降り注ぎ、その眩しさにゆっくりと目を開ける。

 窓から零れ落ちる柔らかい光が朝を告げていた。

 ふかふかの布団が私を包み込み、見慣れた天井がおはようと顔を覗かせている。

 どうやらぐっすりと寝ていたようで、ここまでの記憶が曖昧だ。


「う……ん」


 重たい体を何とか動かして、一つ欠伸を零す。

 欠伸のお陰で脳に酸素が送られたことにより、昨日の出来事を徐々に思い出していく。

 確か私、スキルの使いすぎで倒れたんだっけ。

 レイに毒が盛られて、それで解毒剤を取りに向かって……それで。


「マスター!まだルフィア様はお休みになっていますよ!起こしたら身体に触る可能性があるんですから、我慢して下さい!」


 寝室とリビングを分ける扉の外で、ユツィーの声が聞こえてくる。





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