スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
王子を探しています。
*
穏やかな日差しが瞼に降り注ぎ、その眩しさにゆっくりと目を開ける。
窓から零れ落ちる柔らかい光が朝を告げていた。
ふかふかの布団が私を包み込み、見慣れた天井がおはようと顔を覗かせている。
どうやらぐっすりと寝ていたようで、ここまでの記憶が曖昧だ。
「う……ん」
重たい体を何とか動かして、一つ欠伸を零す。
欠伸のお陰で脳に酸素が送られたことにより、昨日の出来事を徐々に思い出していく。
確か私、スキルの使いすぎで倒れたんだっけ。
レイに毒が盛られて、それで解毒剤を取りに向かって……それで。
「マスター!まだルフィア様はお休みになっていますよ!起こしたら身体に触る可能性があるんですから、我慢して下さい!」
寝室とリビングを分ける扉の外で、ユツィーの声が聞こえてくる。