スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「ルフィア様。まだ本調子ではないとは思います。くれぐれも無理はなさらず城内が落ち着くまで、ゆっくりとお過ごしくださいね。それでは」
満足しましたとでも言いそうな表情を浮かべて部屋を出ていくカイルさんの後を、レイは絶望した様子で抵抗もせずに連行されていった。
閉ざされた扉の前で身動きが取れないでいると、ユツィーが肩を叩いてきた。
「朝食、食べましょうか」
「そうね」
再びユツィーが朝食を準備する机へと移動しようとした時、首に掛けていたプレートが揺れる。
「ふあぁ〜よく寝たあ〜……」
大きく欠伸をしながら魔法石から出てきたシュマを思わず抱き寄せる。
命からがら私を守ろうとしてくれた相棒も、ちゃんと私の日常に色を添えるように傍にいてくれることが何より嬉しい。
「急に何〜?昨日久々に頑張ったから、ボク疲れてるんだけど〜」
「魔力はもう戻ったの?」
「まあね。王様がボクに魔力を注いでくれたお陰でこの通り。だけど疲労までは回復しきれてないよ。誰かさんが何も考えずに突っ走るから」
「あはは……ごめん」
確かにあの時、何も考えてなかったな。