スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜




 こう時間を空けられると、素直に聞けたことが聞けなくなりそうでちょっと不安になる。

 今後の私の立ち位置とか今後の生活とか……どうなるんだろう。

 悶々と考えながら雑草をむしっていると、廊下から走ってくる音が聞こえてくる。


「ルフィア様!ここに御出ででしたか!」

「カイルさん?」

 
 カイルさんはよく走る人だなあ……なんて思いながら、作業着に付いた泥を払いながらカイルさんの元へと近づいた。
 

「どうかしたんですか?」

「ルフィア様が師匠と呼ぶ、アルドネ様にどうか城へお越しくださるように手紙をお願いできませんか?」

「師匠に手紙を?」

「はい。今しがたの会議で我がセリオリア国もフィール王子の捜索に当たることが決定しました。そこで、魔法を扱えるアルドネ様の協力も欲しいとレイ様から提案されまして」


 フィール王子が居ない今、シェルバム国で王位継承者争いの内戦なんかが起こったらまたしてもセリオリア国にも関係の無い傷を付けられそうだ。

 一刻も早くフィール王子を探して、事を終わらせた方が互いの国の為にもなりそうね。




< 221 / 237 >

この作品をシェア

pagetop