スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜




 急ぎで師匠に今回の事を綴った手紙を出して、師匠の到着を待つ。

 店のこともあるのにと渋る顔も想像出来るけど、こういう人助けは師匠は好き好んでやる質だし、二つ返事で引き受けるだろう。

 ……多分、店の事とか後々私に押し付けて来そうな気もするけど。

 程なくしてセドリックの馬車に乗ってやってきた師匠は、いつにも増して気合いに満ち溢れた瞳を輝かせながら城へとやってきた。
 

「師匠!!」

「ルフィア!久しぶりだね!その様子を見ると、随分といい生活をさせて貰ってたんじゃないのかい?」


 久々に再開した豪快に笑う師匠は、力強く私の頭を掻き乱すように撫でてくる。

 ぐらんぐらんと頭を揺らされて少しクラクラするけれど、妙に落ち着く。


「セドリックも忙しいのに、また馬車を出してくれてありがとう」

「お安い御用さ。君の為なら何でもするよ」


 片目を閉じて小さく笑うセドリックに、師匠はやや呆れ顔を向ける。


「道中、王都の街にいる女の子のデートの予定を考えていた奴がよく言うよ」

「それも僕の仕事だからね」

「セドのそういう真っ直ぐな所、あたしは嫌いじゃないけどさ」


 いつにも増して賑やかな空気に少し嬉しい気持ちでいると、レイとカイルさんがやって来た。





< 222 / 237 >

この作品をシェア

pagetop