スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
彼らの後ろにはちゃんとハイネも居て、ほっと胸を撫で下ろす。
その直後こんな状況なのにレイの顔を見て、顔が暑くなるのが分かる。
ニヤニヤとした視線を師匠から向けられて、全力で顔を隠すしかない。
「我が名はレイバート・グラトリウス。忙しい中足を運んでくれたこと、感謝する」
「ほう。アンタが噂の国王様か。魔力はそこそこあるようだね」
「ちょっと師匠!まず挨拶してっ」
相変わらずな師匠に自己紹介をさせてから、本題へとすぐ移る。
こうでもしないと師匠はすぐ脱線して、話が進まなくなる可能性の方が大きいからだ。
「――そういう訳で問題が大きくなる前に、隣国の王子の探索を手伝って欲しい」
レイの口からこれまでの一連の話を聞き終わった師匠は、何を言っているんだ?とでも言うかのように疑問に満ち溢れた瞳でレイを見つめた。
「探すも何も、その王子はこの場にいるだろう?」
師匠の言葉にその場にいた全員が瞬時に固まった。