スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛？何それ、美味しいの？〜

Final ＊

私の新しい居場所

＊

　弟に命を狙われていることを察したフィール王子は、城内の隠し部屋にあった魔導書を使って自分の姿形を変え、命からがらセリオリア国に逃げ込んできたらしい。

　生きていればどこかで逆転できる日が必ずくる、そう信じて策略を練っていた。

　そんな彼が無事に見つかり、これまで繰り広げられていた戦争は終戦へと話は決着を着け、終わりを迎えた。

　それだけでなくフィール王子から、今後同じ悲劇を繰り返さないよう同盟を結び友好関係を築いていく方向へと進んで行った。

　今まで席が空いていた王座もフィール王子へと譲り渡され、何れレイと共に両国をより良い国へと導いてくれる立派な王様になるだろう。

　今日はそんな両国の幸せな未来を願う舞踏会が城内で開催され、両国の煌びやかな空気を纏う貴族達で溢れかえっている。

　貴族達だけではなく、街の人達も自由に参加できるこの舞踏会は大きく賑わいを見せていた。

　皆が幸せそうな顔を浮かべていて、これでセリオリア国には戦争によって悲しみの涙を流す人が居なくなったんだと嬉しくなる。



　――確かにそれはいいんだけど……。