スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「ルフィア」
名前を呼ぶ声を聞くだけでこんな痺れるような気持ちになるなんて、彼の持つ魅力は計り知れない。
「ようやく二人きりになれたな。カイルを撒いてくるのに少々時間が掛かってしまった」
また二人で怒られるのか……それもそれで悪くは無いけど。
抱き締めていた力が緩まり、今度は長い指で頬をなぞられる。
「綺麗だ」
「……っ」
「そうやって頬を赤らめるのも愛らしい」
「か、からかわないでよっ」
あまりにも心臓が爆発しそうな程に、レイが甘い目で私を見つめてくるものだからなんとかして目を逸らしたかった。
だけどそうはさせないとレイは首の後ろに手を回す。
「もう逃がさない。一生俺の傍にいてくれ」
吐息混じりに耳元で囁かれ全身が痺れて言うことが聞かない。
でもこれだけは確かに言いたい。
「……わ、私も……レイの傍に居たい」
「こんな魔法に取り憑かれた俺でもいいか?」
「レイじゃなきゃ、嫌だ」
「じゃあ――もう答えは一つだ」
足元に魔法陣が出現したかと思えば、身体を真っ黒な炎が包み込む。