スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜




 ただそんな空気に唯一私だけがついていけておらず、レイとリーンさんを交互に見つめる。

 そんな視線に気がついたリーンさんが爽やかな笑みを向けてきた。


「兄のこと宜しくお願いします。噂に聞く綺麗な人ですね。僕もルフィア様みたいな素敵な女性を娶れるよう、人脈を広げなくては!」

「リーン。残念だが、こんな素敵な女性はこの世に一人だけだ。ルフィア以外にいるわけなかろう」

「兄さん、そう言う惚気は公の場でしない方がいいですよ?ルフィア様を奪おうとする闘争心に燃える人も出てくるかもですし」

「なに?!それはならん!!」


 突如声を荒らげたレイは再び魔法陣を出現させるや否や、炎がまた私達を包み込んだ。

 抱き寄せられて直に伝わってくるレイの鼓動に、何故か私の鼓動が早くなる。

 その上先程から代わる代わる景色が変わり、情報を処理するので精一杯になっている頭に、花の香りが気持ちを落ち着かせてくれた。

 真っ黒な炎がゆらゆらと消えていき、吹き抜けて行く風が心地いい。

 太陽の光に目を細めつつ周囲を見渡せば一面を白と青で染め上げた、ロマンテの花が埋めつくしていた。


「わあ……!」


 庭園よりも多くのロマンテが咲き誇っていることに驚きと、小さな興奮によって声が漏れる。



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