スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「すごく綺麗……」
風に靡く髪を押さえながら、空と花畑の境界線を探すようにぐるりと一周その場で回る。
この国の花はどこまでも続いていて、まるで皆の笑顔が幸せが続いている……そんなように思えた。
「ルフィア」
私の名前を呼ぶレイは柔らかく、でもどこか真剣な眼差しで私を見つめる。
「なあに?」
「ずっとずっと押し隠してきたつもりだったが、もう我慢する必要はないから聞いて欲しい」
花びらを連れて舞い踊る風が私達の間をすり抜けていって、一呼吸置いてからレイは言葉を発した。
「ルフィア、君を愛している。どうか、俺にこれから先ずっと……ルフィアと共に歩む権利を俺にくれないだろうか」
ずっとずっと恋焦がれていたもの。
誰かに愛されてみたい……それは、こんなにも私の近くに転がっていた。
本当の家族のように愛してくれた人も。
ずっとずっと私の相棒でいてくれた人も。
私のことを友達と言ってくれる大切な仲間も。
そして……永遠を一緒に歩んでくれる人も。
スキルによって、私は自分を愛してくれる人達がこんなにもいるんだって知れた。