スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜


 その答えを知りたくて、勇気を振り絞ってレイバート様を見た。


 真っ直ぐなその瞳に私が映り込む。



「俺にはお前が必要なんだ」


「っ……?!」


「お前なしでは無理なんだ」



 くっ、口説かれてる……?!


 婚約者は形だけでいいと、セドリックは言っていたのに、レイバート様はそうじゃなかったり?


 いや、でも私達初対面であって深い関係なわけじゃあるまいし。


 でも何でか分からないのに、その言葉に胸がざわめく。



「あっ、あの私!」



 じっと見つめられる瞳に、何か答えなくてはと口を動かすけれど、レイバート様が言葉を被せる。



「――お前の、そのスキルが必要なんだ」


「え」



 瞬時に冷静になって、レイバート様の瞳から解放されると、セドリックを見直した。


「レイバートは、スキルの持ち主を探してたんだ。君の、【木霊の呼び声】をね」


「スキルを?」


「そうだ。お前の持つ【木霊の呼び声】には前々から興味があった。それを上手く活用して、新たな魔法を作りたくていた」


 話についていけない。


 私のスキルが必要で、婚約者にならなきゃいけない理由はなんだというの?


 しかも、魔法を作る?王様が?





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