スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
Ⅱ*
*
燃えるように熱い。
意識が朦朧とする中、第一に感じた感覚はそれだった。
背中に感じる地面の感覚、鼻腔を抜けていく鉄錆びたような独特の匂い。
自分が置かれている状況を把握しようにも、意識がはっきりとしない。
木々の間から見える上空に浮かぶ星々は、本来の輝きを放つことなくただそこに浮かんでいる様に見えた。
ぼう……とする意識の中、気づいたら全身に感じていた熱は痛覚へと切り替わる。
――痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い……!
声にならない激痛が私を襲っていた。
なんで、どうして……考えても、痛みが体を支配していく。
痛みのせいで呼吸すらもままならなくて、必死の思いで一番激痛が走る脇腹に手を伸ばした。
ドロリとした生温い感触が私の手を包んで、指先から侵食するように絡みつく。
恐る恐る手に絡みついた何かを確かめる為に、視線をゆっくりと動かした。