スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
眉間のしわも無くなって、穏やかなその表情に思わず見とれてしまう。
初めて出会った時も、レイバート様の美しさに魅了されたけど、今回はまた違った彼の表情に何故か惹き付けられる。
「そうか」
ぶっきらぼうな返事だけど、どこか嬉しそうで、その声に急に私の顔が熱くなる。
そう言えば、昨日初めてレイバート様に会ってから色々あって、その時もなんかこう……胸がざわめいたり、体が変になったり。
おかしな現象に首を傾げていると、いつの間にかレイバート様に手を取られて、そのまま一緒に朝食を摂ることとなった。
用意された朝食を共に囲み、てっきり無言な時間が流れるものばかりだと思ってた。
そんな私の予想を裏切るように、レイバート様は穏やかな様子でこの城の事や、従者のカイルさんのことなんかを話してくれた。
まるで私に対して、身構えなくてもいいと言うかのように。
ちょうど部屋の外が気になっていた事を伝えると、レイバート様が一つ提案してきた。
「朝食の後、少し城の中を案内するか?」
「よろしいのですか?」
「婚約者を部屋に閉じ込めているなどと、どこぞの間抜け共が噂立てるのも嫌だからな。庭園でも歩くか」
「庭園があるのですか!」
レイバート様の言葉に思わず反応してしまい、食事中にはしたない所を見せたと、咄嗟に俯いた。