スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
子供みたいにはしゃぐなんて、流石に恥ずかしいし、食事中に大きな声を出すなんてマナーがなってないと叱られるに決まってる。
だけど、そんな私に楽しそうに笑うレイバート様は、決まりだなと笑顔を向けてきた。
「暫くの間、ここで生活するんだ。二人きりの時は、そうやっていつも通りのルフィアでいてくれ」
「で、ですが……」
「俺のこともレイでいい。婚約者らしく振る舞うために、多少は親密さも必要だろう」
「王様に向かってそんな呼び捨てなんて……!せめて敬称を!」
「却下だ。これは婚約者としての義務だ――いいな?」
低い声でそう言うと、彼の眉間にしわが寄った。
これ以上渋ったら、本格的に機嫌を損ねそうで慌てて首を縦に振った。
私の反応に満足したのか、ほっと胸を撫で下ろすレイバート様元いレイは、優雅に紅茶を啜った。
まだ全然掴めないレイとの距離に、戸惑いを隠せない私は苦笑いを浮かべるしか出来なかった。