スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
とりあえずこの件については、朝食を摂った後にしようと、ユツィーが焼いてくれたパンを頬張った。
ふわふわでしっとりとした甘い生地に、思わず頬が緩む。
「美味しい……!」
「お口にあって良かったです。意志と感情を獲得しても、どうも五感は得られなかったので……味見が出来なくって」
「完璧よ、ユツィー。とっても美味しい」
「そう言われると自信が持てます。ありがとうございます」
嬉しそうに笑うユツィーの顔を見てると、きゅうっと胸が苦しくなった。
可愛い……私の世話係、めちゃくちゃ可愛い。
歳の近い女の子と関わる機会のない私にとっては、この感情を喜び一つで表現出来ない気持ちでいっぱいだった。
そんな気持ちが彼女にも通じていたんだと思う。